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ケトジェニックダイエットで痩せる!がアスリートが続けてはいけない理由

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ケトジェニックダイエットがブームになったのは、

シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」が日本で発売された

5年前ではないでしょうか。

 

当時は自分も含め、周りの友人もみんな「完全無欠コーヒー」にチャレンジしていました。

 

確かに体重は落ちました。

 

お腹いっぱい炭水化物を食べた後の脱力感と眠気、

これがなかったのもけっこう良かったと思います。

 

「完全無欠コーヒー」を始めて2週間くらいしたところで、

毎朝つくるのが面倒になってきたことと、同じメニューに飽きてきてこと、

それとなんとなく、からだに良い感じがしなかったことが理由でやめました。

 

自ら実践してから5年たった今、(と言っても2週間・・・笑)

研究データが少しずつ溜まってきたケトジェニックダイエットで痩せるのか、

アスリートのパフォーマンスは上がるのか

 

(長友選手もやってるって言うし〜)

 

などについて最新の論文などを調べてみました。

 

やはり、やめて正解。

続けてはいけない理由を説明します。

 

シリコンバレー式 自分を変える最強の食事

シリコンバレー式 自分を変える最強の食事

 

 

ケトジェニックダイエットとは

 

ケトジェニックダイエットとは、低炭水化物・高脂肪食のこと。

一般的に低炭水化物ダイエットというと、

炭水化物を減らした分たんぱく質を増やした食事になりますが、

ケトジェニックダイエットは炭水化物を減らした分、脂質を増やします。

 

1日あたりの炭水化物量は、50g未満

カロリーの75%以上を脂質に置き換えます。

 

ケトジェニックダイエットで痩せるメカニズム 

 

インスリンの量が低下する

 

極端に炭水化物を減らし脂質を増やすと、インスリンの量が低下します。

インスリンは、炭水化物を食べたときに出るホルモンです。

 

炭水化物が分解されて糖になりますが、 

エネルギーとして使われず、余った糖を脂肪に変えてからだに

蓄える働きをするのがインスリンです。

 

ケトジェニックダイエットをすることで、インスリンの量が低下し、

からだに脂肪を蓄えづらく、痩せやすくなるのです。

 

 

脂肪が使われ体脂肪が減る

 

からだに糖がたくさんあるとき、エネルギー源として主に糖が利用され

次第に脂肪の利用へと移っていきます。

しかし糖が極端に少ないと、利用する糖が足りず脂肪が使われやすい状態にからだが変化します。

 

結果として体脂肪が減りやすくなります。

 

食欲を抑える

 

ケトジェニックダイエットでは、ケトン体がからだの中でたくさん生成されます。

ケトン体は脳にある満腹感じる満腹中枢を刺激して、食欲を抑え痩せやすくなります。

 

ケトジェニックダイエットとパフォーマンス

 

ケトジェニックダイエットとアスリートのパフォーマンスを調べた研究がいくつかあります。

 

確かに、ケトジェニックダイエットでは運動中の脂肪の利用が促進しました。

さらに体脂肪率が減少したデータもあります。

 

もともと体脂肪率の低いアスリートが、さらに体脂肪率が低下するということは、

ケトジェニックダイエットのインパクトは相当なものでしょう。 

 

しかし、

 

ケトジェニックダイエットによってパフォーマンスが向上したという研究は

ないようです。

 

一方で、「パフォーマンスの低下や明確な副作用がなかった」というのも注目すべきところです。

研究の多くが、長くても12週間のデータのため、

今後も研究データが集まりケトジェニックダイエットがアスリートにとって良いのか

結論が出るのが期待されます。

 

ケトジェニックダイエットの副作用

 

一般的に言われているケトジェニックダイエットの副作用がいくつかあります。

 

ケトフルー

 

ケトジェニックダイエットの副作用の一つとして、ケトフルーというものがあります。

頭痛や吐き気、思考力の低下、筋痙攣、疲労感を引き起こすものです。

 

息が臭くなる

 

ケトジェニックダイエットを続けると、アセトンという成分が体内で生成されやすくなります。

アセトンはからだの中から呼気として体外に排出されますが、

アセトンは少し嫌な臭いを持っています。

 

「甘酸っぱい」とか、「フルーツが熟した臭い」とか、「アルコール臭い」とか、

表現されることがあります。

 

便秘・下痢

 

ケトジェニックダイエットによって炭水化物の摂取量が減ると、

必然的に食物繊維の摂取量も減ることになります。

そうすると便秘や下痢などお腹の不調に繋がります。

 

通常の食事に戻した時に太りやすい

 

ケトジェニックダイエットを続けるとインスリン感受性が低下します。

 

つまり、インスリンがからだの中で効きづらくなるのです。

インスリンが効きづらくなると、通常の食事に戻した時に脂肪の利用が低下して

太りやすくなり、肥満や糖尿病の原因になります。

 

まとめ

 

ケトジェニックダイエットでは、脂肪を燃やしやすく痩せやすい状態になります。

ケトジェニックダイエットをやって痩せる効果実感をした方は理にかなっていた部分もあったのでしょう。

(確かに自分も痩せたな)

 

ですが、アスリートのパフォーマンス向上はあまり見られず、

継続することで副作用が生じることもあります。

 

一時的な体重コントロールとしてケトジェニックダイエットを利用するのは

良いかもしれませんが、

体調の変化に注意して、あまり長く継続しない方がよいでしょう。