プロテインの選び方、知っておきたい由来11種
ひと昔前までプロテインはホエイかソイが主流で、トレーニング後の疲労回復や筋力UPにはホエイプロテイン、ダイエットにはソイプロテインが向いていると言われていましたが、最近ではホエイやソイ以外にも様々なプロテインが登場しています。それぞれのプロテインの特徴についてまとめてみました。
牛乳由来のプロテイン
ホエイプロテイン
ホエイ(Whey)とはヨーグルトにできる上澄み液のことで牛乳に含まれるたんぱく質のおよそ2割を占めています。BCAA含有率が高く速やかに吸収されるためトレーニング後の筋肉の修復や疲労回復に効果的とされています。
WPC(ホエイプロテインコンセントレート)
Whey Protein Concentrate の略でホエイプロテインの一般的な原料です。たんぱく質含有量が80%以上のWPCがスポーツプロテインの原料としてよく使われ、たんぱく質以外にもビタミンやミネラルを含んでいます。
プロテイン製品になるときは味付けやその他の成分でたんぱく質含有量が70〜80%程度になります。プロテイン含有率を高く維持したまま美味しくて溶けやすい良い商品を作ることができるか各メーカーの腕の見せどころです。
ちなみにたんぱく質含有率34%程度のWPCはハムやソーセージなどの加工肉の結着剤として使われることがあります。
WPI(ホエイプロテインアイソレート)
Whey Protein Isolate の略でたんぱく質含有率が90%程度のホエイプロテイン原料です。たんぱく質が多い分ビタミンやミネラルはほとんど含まれませんが、透明度が高くすっきりとした味わいのためプロテインドリンクや高機能プロテインパウダーなどに使われます。
WPH(ホエイペプチド)
Whey Protein Hydrolysate の略でホエイプロテインを分解したものを言い、ホエイペプチドや乳たんぱく分解物と呼ばれます。ホエイペプチドが腸内でさらに分解されるとアミノ酸になりますが、サプリメントで販売されているアミノ酸は別の製法によって作られます。
WPHは分解されている分プロテインよりも消化が早く胃腸への負担が少ないと言われています。また筋力強化や疲労回復以外にも、免疫力UPなど様々な機能が着目されています。
デメリットとしては他のプロテインに比べて値段が高いことと、苦味があるためWPCやWPIに比べると飲みづらいことです。
カゼイン
牛乳のたんぱく質の8割を占めるカゼインは消化吸収に時間がかかるのが特徴です。そのため長時間にわたって血液中のアミノ酸濃度を維持できるのですが、それが筋力強化や疲労回復に効果的かどうかはまだわかっていません。一方でカゼインは胃腸に負担をかけたり免疫力を低下させたりする恐れがあるため、カゼインプロテインを飲んでいて効果を感じなかったり不調を感じたりする人は他のプロテインに変えるのもよいでしょう。
ミルクプロテイン
牛乳のたんぱく質をそのまま濃縮したタイプのプロテインで、ホエイが約2割、カゼインが約8割含まれており、それぞれの特徴を持ち合わせています。ホエイとカゼインを同時にとりたいときや、また風味がより牛乳に近いためミルクココアやイチゴミルクのようなミルク系飲料に適しています。
植物性プロテイン
ソイプロテイン
大豆由来のプロテインです。ホエイが主流になる前はソイプロテインがほとんどで、「プロテイン=まずい」イメージがあった時代のプロテインです。今ではソイプロテインも改良され非常に飲みやすくなっています。カゼイン同様消化吸収に時間がかかり腹持ちがよいとされるので、ダイエット用プロテインに多く使われています。筋力強化への効果は、ホエイ>ソイ>カゼインとされています。ソイはホエイに比べてBCAAなどのアミノ酸が少ないため他の他のプロテインやアミノ酸などと組み合わせて使うとより効果的です。何より植物性プロテインの代表格で、ヴィーガンやベジタリアンの人に重宝されています。
ピープロテイン
ここ数年で登場したエンドウ豆(ピー)のプロテイン。登場した頃は青臭く飲みづらいものでしたが最近ではかなり風味も改善されています。乳や大豆などのアレルゲンがないプロテインとしても注目されています。玄米プロテインと組み合わせることでアミノ酸バランスが良くなるとされています。
玄米プロテイン
日本人としては米がプロテインというのは嬉しい響きかもしれません。アミノ酸のシステインやメチオニンが多いのが特徴で、リジンが多いピープロテインと一緒にとるのがおすすめです。
ヘンププロテイン
麻の種子からできたプロテインで、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれているのが特徴です。たんぱく質だけでなく植物由来の栄養をバランス良くとりたい方におすすめです。
エッグプロテイン
ボディビルダーが生卵を何個も丸飲みする姿を動画などで見たことがある方も多いと思いますが、卵は栄養豊富な食材です。その卵の卵白(エッグホワイト)を主体に粉末にしたものです。値段が高くあまり普及していませんでしたが最近では安い商品も増えています。
コオロギプロテイン
最近注目されているのがコオロギなどの昆虫を主体としたプロテイン。このまま人口が増え続けると2050年には世界の人口が100億人を超えると予測されています。そうなると世界中が食料不足になると言われていますが、昆虫がその救世主となるかもしれません。既に世界の人口のおよそ1/3が昆虫を食べる習慣があります。
選ぶときに注意したいポイント
プロテインを目的や体質に合わせて選びたいのはもちろんのことですが、原料がどのようにできているかも注目すべきポイントです。ホエイなどの乳由来であればグラスフェッド(牧草牛)であるかどうか、植物性であれば遺伝子組み換え作物(GMO)でないかやオーガニックであるかなどチェックしたい点です。
また原料は良くても製品化した際の甘味料や香料などの添加物がからだに合わなかったり、値段は安くても溶けづらく飲みにくかったりするものもあります。
スポーツ店ではプロテインの試飲会をしていたり、フィットネスジムでは1杯ずつ提供しているところもあるのでどんなプロテインを使っているのか聞いてみるのもいいですね。
まずは「美味しい!続けたい!」と思えるプロテインに出会えることが大切かもしれません。